Smart HomeをDIYする

Apple HomeKit は対応製品が少なくて高価なのでHomebridgeでがんばります

Tuyaクラウドのお試し期間(1ヶ月)が終了して動作停止

こちらに移転しましたので自動転送します。

Tuyaの開発者向けクラウドを利用してWiFi赤外線リモコンを使用していたところ、「サブスクが期限切れになりました」というエラーメッセージを受け取るようになり、動作しなくなりました。代替案を試しましたが使えなさそうでした。今後は、Zigbee対応のTuyaデバイスを、Zigbee2MQTT経由で使用するのが良いようです。

Tuyaリモコンが不調

Tuyaのデバイスは安いのに(リモコンなどは最安530円)、Homebridgeから使えてとても良いです、という紹介を先月くらいに書いたばかりでした。Tuyaの開発者向けクラウドで無料のアカウントを取得して、Tuyaの公式プラグインを使えば、さまざまなTuya製品がHomebridgeから使用できるはずでした。

diysmarthome.hatenablog.com

ところが、今月になりこれが動作しなくなりました。Tuyaのクラウドからの応答を見ると、

TuyaOpenAPI response: {"code":xxxxxxxx,"msg":"No permissions. Your subscription to cloud development plan has expired.","success":false,"t":xxxx,"tid":"xxxx"} path = /v1.0/iot-01/associated-users/devices
Failed to get device information. Please check if the config.json is correct.

というメッセージが返ってきています。サブスクリプションが期限切れになったので使用できないという内容のようです。色々なサイトやYoutubeで、Home AssistantやHomebridgeからTuyaのクラウドを使用する方法が数多く紹介されていますが、クラウド利用に期限があるような注意事項は記載されていませんでした。なのでずっと使用できると思ってました。

いろいろ調べたところ、Tuyaの開発者アカウントのお試し版 (Trial Edition) の有効期限は1ヶ月とのことでした。

以前は無料プランでもずっと利用できたようですが、ここ半年くらいでお試し期間が1ヶ月になったようです。上記のリモコンを設定してから、エラーが出るようになったのがちょうど1ヶ月くらいでした。ちなみに有料プランの料金がいくらくらいかというと、

developer.tuya.com

一番安いStandard版で年額3,300USドルです。自宅のデバイスをHome AssistantやHomebridgeで制御しようという一般人向けの価格では無いです。おそらくは、Tuyaのチップを使って自社製品を開発するメーカー向けの価格だと思われます。

Tuyaのクラウドを使用しないでデバイスを利用する方法には、

  1. LocalTuyaインテグレーションを使う
  2. Zigbee方式のデバイスならばZigbee2MQTTを使う

の2通りがあるようです。ただし、どちらも使えるデバイスに制約があります。

LocalTuyaインテグレーション

Home Assistantには、Tuya公式のTuyaインテグレーションのほかに、LocalTuyaという名前のインテグレーションがあります。(インテグレーションというのは機能拡張というような意味合いだと理解してます。)公式インテグレーションは、Tuyaクラウドを使うので、現在では設定後1ヶ月で利用できなくなります。新しいメールアドレスで開発者アカウントを取り直せば再開できますが、毎月それを行うのは現実的ではないです。

github.com

一方、LocalTuyaというのはHome Assistantの上で、Tuyaクラウドの機能を実現する仕組みのようです。これがあればTuyaクラウドに接続する必要も、さらにはインターネットに接続する必要もなく、Tuyaデバイスが利用できます。HomebridgeにはLocalTuyaに相当する機能を持つプラグインはありません。でも、Home Assistantには、デバイスをHomeKitにブリッジする機能があるので、HomeKitからもLocalTuyaを利用できるはずです。

Tuyaクラウドをローカルに実現するのは結構大変な処理だと思うので、いろいろ制約はあると思いました。特に、赤外線リモコンは、クラウド側で各種家電メーカーの赤外線信号パターンを管理していると思われるので、サポートされていないのではと思いました。確認のためにLocalTuyaをインストールしました。

結論を先に書いておくと、LocalTuyaでは赤外線リモコンは使えませんでした。リモコン以外のTuyaデバイスには有効かと思われます。

LocalTuyaをインストールする

LocalTuyaはHome Assistant (以下HA) 公式ではなく、有志の人たちが実験的に作っているインテグレーションのようです。なので、HA初心者にはインストールが大変でした。LocalTuyaのサイトによるとおすすめのインストール手順は、

  1. (ユーザ名)・プロファイルで「詳細モード」をonにする
  2. 設定・アドオン・アドオンストアからTerminal & SSHを入れる
  3. sshを操作してHACS (HA Comunity Store) を入れる
  4. 設定・デバイスとサービス・統合・統合を追加から、HACS統合を入れる
  5. HACS・IntegrationsからLocalTuyaを入れる
  6. Tuyaクラウドからデバイスのlocal_keyを入手してLocalTuyaに設定する

です。箇条書きにすると単純ですが、それぞれのステップが大変でした。(ただし、HA初心者なので、回り道している可能性はあります。)

まずは、ステップ2でつまづきました。手元ではHAをDockerでインストールしていたのですが、Docker版ではアドオンが使えないそうです。どうしても動かしたい場合は、別のコンテナを作るらしいですが、大変そうなので諦めました。そこで手元にあったRaspberry Pi 3に、HAをイメージでインストールしました。本当はPi 4を使いたかったのですが、今の品薄で入手できません。

Dockerを使わずにベアメタルなインストールをしたおかげで、アドオンがメニューに現れるようになりました。これでsshのインストールが終わります。この後、再起動し、設定・デバイスとサービス・統合・統合を追加から、HACSインテグレーションのインストールができました。詳しい手順はHACSのサイトを見ていただくとして、結構大変でした。HACSってHA本体の開発陣から嫌われているのかなと邪推したくらいです。

HACS統合がインストールできれば、サイドバーにHACSが現れます。これを選択して、Integrationsを選び、右下の「EXPLORE & DOWNLOAD REPOSITORIES」を選ぶと、LocalTuyが選択できるようになります。

右下のDOWNLOADボタンを押すとLocalTuyaをダウンロードできます。次に再起動して、設定・デバイスとサービス・統合・統合を追加からHACSからLocalTuyaをインストールできます。

設定・デバイスとサービス・統合のページにLocalTuyaが現れるようになりますので、ここからデバイスを登録できます。

慣れてないこともありますが、Home Assistantは設定が難しいですね。Homebridgeの5倍くらい難しい気がします。

LocalTuyaで使えるデバイス

LocalTuyaで現在使えるデバイスは、

  • Switches
  • Lights
  • Covers
  • Fans
  • Climates
  • Vacuums

です。この中には赤外線リモコンはありません。ただ、Tuyaの赤外線リモコンユニットで、エアコンや照明器具を登録すると、Tuyaのアプリでは、エアコン、照明デバイスとして扱われます。エアコンはClimates、照明器具はLightsに相当します。これらがLocalTuyaで使えるかどうかが心配の点でした。

そこでLocalTuyaのデバイス登録を進めたところ:

の4項目が必須情報でした。このうちHostというのは、そのデバイスIPアドレスだそうです。赤外線リモコンにはIPアドレスがありますが、その先に接続されているエアコンや照明器具は、リモコンがコントロールしているのでIPアドレスがありません。

ということで、赤外線リモコンがLocalTuyaでサポートされていない現状では、使用できないようでした。赤外線リモコンをローカルにサポートするのは大変なので、なかなか実現できないのではと思いました。

以前の記事では、TuyaのWiFi磁気接触センサも紹介しました。これもTuyaクラウドを利用します。これも1ヶ月制限で使えなくなっていました。

diysmarthome.hatenablog.com

WiFi接触センサは応答が遅かったのでZigbee方式のものに置き換えてしまいました。なのでテストできていませんが、もしかしたらこちらはLocalTuyaで使えるかもしれません。

Zigbee2MQTTを使う

Tuyaの製品ならばクラウド利用してHomeKitから使えると喜んでいたのですが、どうも制限が厳しくなっていたようです。一方、Tuyaの製品のうち、Zigbee接続のデバイスなら、ほとんどがZigbee2MQTTでサポートされています。今後は、Zigbee接続製品だけをアテにするのが良いと思いました。

まとめ

Tuya開発者向けクラウドの1ヶ月お試し期間が終了したら、Home AssistantやHomebridgeからのクラウド経由でのアクセスができなくなりました。LocalTuyaなどのツールも試しましたが、赤外線リモコンは使えませんでした。

アプリであるTuya Smartからは引き続き使用できますし、本来の使い方ではないので打ち切られても仕方ない側面もあります。でもクラウドに依存する危うさを再確認しました。TuyaはMatterのメンバーですし、対応製品の予定もアナウンスされています。今後に期待したいところです。